日本の株式市場。個人投資家と機関投資家の割合は?

2021年2月19日

日本の株式市場で個人投資家、デイトレーダーが戦う相手はどんな人なのでしょうか?

株をやっている個人同士の戦いと思ったら、それは大きな間違いです。

 

株式市場には金融機関、証券会社のトレーダーが多く存在し、圧倒的な資金力で市場を動かしています。

大口や機関投資家と呼ばれることが多いですね。

 

では、個人投資家と機関投資家の割合はどうなっているのでしょうか?

 

個人投資家は2割しかいないという現実

実は日本の株式の売買代金の8割は機関投資家が占めています。

個人投資家は2割しかいません。

 

8割は機関投資家です。そして資金量も圧倒的に違います。

これが何を意味するかと言うと、市場全体を動かしているのは機関投資家という事です。

 

売買代金の6割〜7割が海外の機関投資家

そして、驚くべきことに機関投資家の半分以上を海外の機関投資家が占めていて、売買代金のシェアは実に60%〜70%にもなります。

初めて聞いた人は「え〜!」と思いますよね。

つまり、実際に株式市場の大きな値動きを作っているのは外国人機関投資家という事になってしまうのです。

 

株式保有のシェアと売買代金のシェアは意味合いが違う

ちなみに日本企業の株式を保有しているのは7割が日本の金融機関やファンド、個人投資家です。

外国人投資家も保有はしていますが、2〜3割程度です。

 

それなのに外国人投資家が売買代金の大きなシェアを占めるという事は、外国人投資家は1日もしくは数日中の短期売買で利益を上げているという事を意味しています。

 

  • 外国人に日本の株式市場を食い物にされている。
  • 激しい値動きで損したりするのは、外国人投資家のせいか!

 

と思う人もいるかもしれませんが、それは違います。

もちろん、そういう側面もあるかもしれませんが、多くの資金が市場に流入し、しかもそれが短期的に取引されるとなると、市場に流動性が生まれ活性化するんです。

 

流動性は非常に重要で、市場に流動性が全く無いと投資妙味が薄れ、誰も見向きをしなくなってしまいます。

この事についてはまた別の記事で詳しく解説していきます。

 

機関投資家、外国人投資家のほとんどがAIアルゴリズムによる自動売買

個人投資家が知っておかないといけないのは、機関投資家、外国人投資家のほとんどがAIアルゴリズムによる自動売買で取引(システムトレード)を行っているという事です。

証券会社の取引画面で、売り買いのボタンをポチポチ押しているのは、実は個人投資家だけなんです。

 

資金を1億円以上持っているような大口の個人投資家の中にはAIによるシステムトレードを行っている人もいますが、資金量が少ない個人投資家はなかなか手を出せる領域ではありません。

証券会社によっては、AI自動取引ツールを提供しているところもありますが、機関投資家のAIアルゴリズムはレベルが違います。

 

個人投資家の戦う相手は機関投資家、AIアルゴリズム

まとめると、個人投資家の戦う相手は「機関投資家(外国人投資家が多い) 」であり、「AIアルゴリズム」であるという事になります。

資金量も圧倒的に違うし、AIが個人投資家の弱点をつくような嫌な値動きを作ってくるので、正直、まともに張り合っても勝ち目はありません。

 

じゃあ、どうするか?というと、「機関投資家には逆らうな」「機関投資家とは戦うな」という市場の格言を守るだけです。

この点については別の記事で詳しく解説していきます。

 

まとめ

個人投資家が株式市場で生き残るには市場にどんな相手がいるのか?という事を把握しておく事が最初の一歩です。

業績が良いから買おう!好材料のニュースが出たから飛びつこう!という素直な取引を行っていると、個人投資家が群がった途端、機関投資家に売り崩されて大きく値段を下げる。そして個人が怖くなってみんな手放したら、その後に上がっていく。そういう理不尽にも思える事がよく起こります。

機関投資家が利益を上げるためのやり方、手口というものがあるので、そこを勉強していく必要もありますね。